労務管理

社員に“もしも”があったときの”緊急連絡先”の確保 ~あとになって困らないために~

「人を選べない」という採用環境のせいか、最近中途採用のトラブルがさらに増えているように思います。潜在的なものを含めるとまだまだ多くの組織に「トラブルの種」は眠っているはずです。

人的リスクを事前に予測することの難しさ

「問題行動の多かった社員と急に連絡が取れなくなった・・」

「入社間もない人なんだけど、急に来なくなった・・」

残念ながらこういう例が最近増えています。ここに至るまでにはさまざまな問題行動があったかと思いますが、中小企業の経営者・管理者はプレイングマネージャーであるため、社員の行動を適正に把握する時間的余裕もなく、実態を認識することは困難を極めます。

その結果、トラブルは突然降りかかってくるような状態になるのです。
※ただし、人の行動から仕事人格を見極める技術を保有すれば予見できるようになります。

というわけで、まだ連絡が取れているうちに、また、問題が発生していないうちに、緊急連絡先の整備をすることをお勧めします。

なかなかイメージしづらいかもしれませんが、

●社員が突然、無断欠勤・・携帯も通じない、
●メールも返信がない、
●自宅も遠方で行くに行けない・・・

となった場合を想定してみれば、緊急連絡先の必要性を感じてもらえるかと思います。

入社時の身元保証書について

入社時に身元保証書※を書かせることは、入社する人にも抵抗感がありますし、私自身も強くお勧めしてきませんでした。

ですが、昨今、
●経営者が求める人材(まともな人)を採用できる確率が極端に低い中途採用環境であること
●面接や市販の適性検査等による選考手法のみでその応募者を見極めることの危険性
は、看過できない状況となっています。

面接等の一般的な選考手法を用いて採用活動をしている会社は、「リスクを見極めきれずに採用している」ということであり、採用後のリスクを見越して対策を練っておかなければ、「もしも」のときに対応できなくなります。

そして、その「もしも」は万が一のレベルではなく、ちょっとした環境の変化や何かのタイミングで露見する可能性の高いものであり、決して他人事ではありません

※2020年4月1日に民法が約120年ぶりに改正され、身元保証人となる人が賠償する限度額(極度額)の定めをしないと身元保証書自体が原則として「無効」扱いとなります。

もし他人事だと判断できるとしても、万が一を考えれば・・

社員一人一人の特性をきちんと把握しており、「その特性を把握した上でマネジメントしている」という場合は、他人事と判断しても問題はないと思います。

ただ、

「人を観る目に自信がない・・」
「社員の行動特性をうまく把握できない」
「人を見極めるための基準をもっていない」
という方は、他人事ではなく、必ず対策を取ったほうが良いと思います。

それでなくとも、異常気象や天災が頻発している時代です。本人の緊急連絡先として、最低限一人、可能であれば身内以外にもう一人(計二人)を確保してもらえれば、“もしも”に対応する手段を増やすことができます。

また、最近増えているのが「メンタル疾患」です。メンタルを患ってしまうと本人と直接連絡を取れなくなってしまうケースもあります。そのとき、仲介役となってくれる方を確保しておくことは実務において重要な役割を担うでしょう

どのみち”もしも”が発生したときは、誰であっても焦ることになります。緊急連絡先を用意したとしても、その緊急連絡先も使えなかったり、電話に出てくれなかったり‥。ただ、何も準備していないと本当に打つ手がなくなって困り果てることになります。人を雇い入れる会社の責務として、最低限事前にしておいてもらればと思います。

さいごに

この緊急連絡先なり身元保証書を、入社後に問題行動を起こす人ほど、会社が指定した期限に提出しない確率が高いと言えます。もし、会社が指定した期限までに提出しな人がいれば、その人は「今後、問題行動を起こす可能性のある人」という警戒感を強めたうえで、厳正に対処するようにしましょう。「今回だけは免除」というような「緩い対応」をしてしまうと、特殊な事情がない限り、結果的に、後々になって会社担当者が大変な状況になってしまいます。問題は芽が小さい内に摘むようにしてください。

ABOUT ME
社会保険労務士 養父(ようふ) 真介
福岡生まれ大阪育ち、東京都杉並区在住。◆大学3回(年)生の1998年に社労士資格を独学で取得。◆コネなし・経験なし・僅かな資金で2008年に独立。◆2009年より介護福祉業界に注力。◆2010年に「人の問題解決」に必要な根幹技術となる「アセスメントセンター」という「能力診断技法」と出会い、数百時間にも及ぶ「人を見極める」という機会を得て、多くの組織が抱える悩みの根源を知る。◆その後、その知見を活かし、クライアントの組織で発生するさまざまな「人の問題」への対応方法について具体的な解決手段を提示し、組織を健全に保つ手助けを生業としている。◆社会保険労務士法人Noppo社労士事務所 TEL:03-6454ー6083 ※お電話の場合、まず職員が対応しますので、「ブログを見て問い合わせた」とお声がけ頂けるとスムーズです。
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