採用

多弁な人・経験知が豊富な人への適正評価

先日も「多弁な人」と趣味を通じて出会うことがありましたが、多弁な人というのは、ひとことひとことが軽い。

重ければ良いということでもないとは思いますが、軽いことの周囲への悪影響はとても大きい。

先日のその時も、多弁な人の発信を受け止める側のテンションがみるみるうちに急降下。

それもそのはず、その多弁な人の言葉の数々は「それ今言うべきことじゃないよね‥。」という内容であったからです。

当然のことではありますが、何も考えずに発せられる言葉というものは、いずれ相手方を「不快」にさせる要因となっていきます。

会社内でこのような「多弁な人」がいれば、その人が発信する言葉を毎日受け止めることになるので、周囲の人間のメンタルは徐々に疲弊していきます。

多弁な人は、相手への関心が薄く、自分にしか興味がない。

自分の発した言葉によって相手がどのように受け止めるだろうと「少し」でも相手に意識を向けることができたら、いいかげんなことは本来言えないはずです。

しかし、相手に関心が薄いから(どうでもいいから)、好き勝手なこと(軽くて内容の薄いこと)が平気で言えてしまう。

自分(私)のことに興味がなく、好き勝手なことを言う人を好きになれるかというと、多くの人はきっとなれないはずです。

沈黙は金なり、という言葉もありますが(黙ってりゃいいという単純なものでもありません)、やはり、無駄な言葉が多いということは、それだけで、「生産性を落とす人」と言えるのではないかと思います。

多弁な人というのは、時には豊富な知識や経験を披露し、物事を体系立てて軽やかに話してくれたりもするので、中には過大評価してしまう人もいるかと思います。私もその一人で、言葉を巧みに操るスキルに騙され、自分の認識が改まるまで数々の手痛い失敗を重ねてきました。だからこそお伝えしたいのは、「問題解決を求められる重要な仕事」をする上で、本当に必要な力は、その部分ではないということです。その人が経験知等を得るために努力したこと自体は認めるべきものです。ただ、下手に有難がってしまうと人物を見誤ってしまいます。

経験値の豊富さ ≠ 生産性の高さ

特に中途採用を担当する方が、上記のような方を「(あなたの)知識や経験が豊富で素晴らしい!その経験知を当社に活かして欲しい!」と内定を出してしまうと、入社後に残念な結果が待ち受けている確率がグッと高くなります。なぜなら、「問題解決に求められる力※」に焦点を当てて判断したわけではないからです。

※ちなみに「問題解決に求められる力」に焦点を当てて、採用判断ができる選考手法は、私が知る限りでは採用アセスメントしかありません。

採用の現場で多く用いられる「面接」という選考手法では、どうしても応募者の発信をもとに、採用の可否を判断せざるを得ないこともあり、面接官を気持ちよくさせてくれる言葉が巧みな人を過大に評価してしまうリスクがあります。逆に、言葉数の少ない「寡黙な人」を過小評価し、本来「採るべき人」を見落としている可能性さえあります。

実生活でも組織内においても多弁な人とは一定の距離を取ったほうが不快な思いをしなくて済むように思います。

とはいえ、その「一定の距離を保つ」というのが、辞められない職場なり、切れない血縁関係なり、各種制約の中で人は生きていかざるを得ないので、深い悩みとなっている方も多いとは思いますが‥。

少なくとも会社の採用においては、法律的な一定の制約はあるものの、原則会社には「採用の自由」が認められているので、その権利を最大限に活かしてください。さらに言えば、その権利を最大限に行使できた会社が「生産性の高い組織」やいわゆる「雰囲気のいい会社」をつくり出すことができるのです。

逆に、応募者が少ないからという理由で企業が「人を選ぶ権利」を放棄してしまえば、遠からず、組織の生産性は低下していくでしょう。

ABOUT ME
組織人事コンサルタント・社労士 養父(ようふ) 真介
1977年生まれ。福岡生まれ大阪育ち、東京都在住。◆大学在学中に社会福祉法人で4年間ボランティアをしていたことをキッカケに1998年社労士資格を取得。◆コネなし・経験なし・僅かな資金で2008年に独立。◆2010年に「人の問題解決」に必要な根幹技術となる「アセスメントセンター」に顧客を通じて出会う。◆その後、その知見を活かし、クライアントの組織で発生するさまざまな「人の問題」への対応方法について具体的な解決手段を提示し、組織を健全に保つ手助けを生業としている。
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