組織マネジメント

先を見据えた体制づくり~新卒採用が組織にどのような影響を与えるのか?~

顧問先にも恵まれ(順風満帆みたいなわけでは全くありませんが・・)、業務量も過剰ではなく、現状の体制で問題がないと言えば、問題はありません。

ただ、「現状維持」という選択肢は衰退という道を歩むことになります。

5年先10年先を見据え、顧問先への「サービスの質の維持と向上」を図っていくための体制づくりに着手することにしました。

採用を考えたターニングポイント

「次の採用」を意識した一番のキッカケは、規模が大きめのお客さんのご紹介を受けたときに、

「その内容だと職員に過剰な負荷が掛かってしまって、これ以上は受けられないな・・」

と感じてしまったことです。

ただ、それよりも「現状を打破するような行動」を取っていかないと、長い目でみたときに「事務所に明るい未来はない」という危機感を感じたことも大きいと思います。

業務量が過剰ではないとはいえ(基本ここ数年、職員の残業はほぼなしです)、攻めることのできない時期が増えていたことや、目の前にチャンスが転がっているのに拾えるだけの余裕がないといったことがあったのも事実でした。

最後は、覚悟あるのみ

人を採用するということは、その人の人生を背負うことにも繋がるので、安易な採用はできません。

顧問先にもこのブログでも、採用で失敗したら取り返しがつきませんよ~、人は基本変わらない、変われないものと考えたほうがいいですよ~と散々いってます。

”悩みの種”を取り除く「人の性格の変化」への正しい認識人への正しい認識がなければ、いつまで経っても対人関係の悩みから解放されることはありません。 私自身も長い間、正確に捉えることのでき...

採用で失敗しなかったとすれば、あとはその給与に見合った売上を確保していくことが必要です。ただ、その売上の確保には一定の期間を要しますし、順調に売上の拡大に進むとも限りません。

なので、もし、売上の大幅な減少等があったとしても数年は耐えきれる体力があるかどうかなど検証を重ねました。しかし、どこまで考えても仕方のないことはあるものです(私はかなりウダウダしてしまうタイプです。要はかなり心配症です。ときどきそのタガが外れて、経験も知識もない状況の中で気持ちだけを持って独立開業・・・なんてしてしまいましたが・・。今から考えても無謀だったと思います)。

ですので、あとは「覚悟」を決めるのみ。

その覚悟を決めたのが2019年8月。

コロナ禍の影響等もあり、採用活動自体は本当に(×3倍と言えないぐらい)大変でした。しかしながら、いまは採用をして本当に良かったと心から思います。

正職員として入社してまだ2か月ですが、既にかなりの戦力となってくれています。「中途は即戦力、新卒は育てるのに時間がかかる」という通念を覆してくれる働きぶりです。採用担当として、各紹介会社さんとのやり取りも何ら問題なくこなしてくれていますし、実務の担当としても情報を積み上げれば積み上げるほど、精度の高い成果物がでてくるので、将来が本当に楽しみです。

新卒者が与える心境の変化は大きい

新しい職員を迎える。

それも新卒の職員が入社してくれるということで、私たち自身、明らかに刺激をもらっています。また、さまざまな業務に対してさらに前向きに取り組めています。

そして、自分たちのこれまでの業務等を改めて見直すキッカケにもなり、事務所全体の仕事の質を上げていくという当初の目的も果たせそうな予感もあります。まだまだこれからですけどね。

でも、この効能は声を大にして「新卒採用をしたことのない経営者」にお伝えしたいことです。新卒採用は「チャレンジする価値のある取り組み」だと。

採用は刺激的かつ前向きな取り組みではあるものの・・

採用をするということは、売上が順調に伸びている証拠でもあり、企業の成長と発展を見越して着手する活動ですから、イメージはとても明るいと思いませんか?

しかし、その取り組みが残念で悲しい結果になってしまう事例も非常に多いのが現実です。

実際、新卒を8名採用して、7名が退職し、残り1名もちょっと・・・みたいな事例はゴロゴロしています。

その現実に打ちひしがれている経営者も多いのではないでしょうか・・。

当事務所もご多分に漏れずということもあるかもしれません。ただ、過去の反省を踏まえ、そして、顧問社労士として数多くの中小企業の採用に関わる中で、

どうすれば「後ろ向きな労務管理」をしないで済む採用ができるのか?

ということは、かなりの時間を割いて検討してきたつもりです。

基本、石橋を叩いて壊してしまうような慎重派の私が(先述のとおり、ときどきタガが外れてますが)、「さまざまなネガティブな検証を重ねた結果」としての採用活動なので、今回の選考結果が悲しい結果になる確率はかなり低いでしょう。逆に失敗するとすれば、マネジメント側(私自身)の問題だと考えています(なんてたって、事務所内で一番飽きっぽく、大人げないと自覚しているので・・)。

2年前に以下のようなブログを書いていますが、新卒時の自分を思い出すと当時の苦しさが脳裏をよぎります。当時受けたようなパワハラ行為は今の時代も変わらず「どこどこの市長のパワハラ疑惑!」や「パワハラで●●を懲戒処分!」などとニュースサイトで賑わってますよね・・。今は経営者として、若者の添え木になれるよう踏ん張っていかねば・・と改めて思いました。

仕事で思い悩む新卒社員さんへ~人を雇い入れる経営者には若者の「添え木」となってほしい~ 大型連休も今週はじめに終わりましたね。新卒で入社したばかりの人の中には、思い描いていた社会人生活とかけ離れていて、現実逃避したい...

当事務所は「超」零細事務所です。

満足な待遇を与えられるかどうかは今後の経営次第(要は私の頑張り次第。なので不安でいっぱい・・)。

ただ、「働きやすい環境」や「職員それぞれの適性に応じた仕事」は十分に提供できるよう、第二創業のつもりで頑張っていこう!と考えています。こういう考え方を持てるようになったのも新卒採用の効能だと思います。本当に有難い・・。

編集後記

社員たった1名のところに新卒社員が入社する。

5年前の自分なら考えもしなかったことです。ただ、今ではそれ以外の選択肢は考えられません。

中途採用よりも「新卒採用」

Noppo事務所の方針は今後も変わらないと思います。

そして、いまは就職氷河期

少しでも余力ある小規模零細企業が、新卒社員を雇用することは社会的にも意義はあると思います。

また、新卒者も大企業一辺倒というマインドではなく、機会さえあれば中小企業に応募したいという意欲も持ち合わせてくれています。

当事務所が社会に貢献できる部分はほんの僅かなことかもしれません。

ただ、この社会の多くを形成している小規模零細企業がそのほんの僅かなことを実行できたら、社会の大きな力にもなるんじゃないかとも思います。

現実は固定的観念もたくさんあって、なかなか難しいとは思いますが、当事務所のクライアントにも、社員たった数名なのに新卒採用を決行した会社があります。その会社が今後どのように変化していくのか、とっても楽しみです。

ABOUT ME
社会保険労務士 養父(ようふ) 真介
福岡生まれ大阪育ち、東京都杉並区在住。◆大学3回(年)生の1998年に社労士資格を独学で取得。◆コネなし・経験なし・僅かな資金で2008年に独立。◆2009年より介護福祉業界に注力。◆2010年に「人の問題解決」に必要な根幹技術となる「アセスメントセンター」という「能力診断技法」と出会い、数百時間にも及ぶ「人を見極める」という機会を得て、多くの組織が抱える悩みの根源を知る。◆その後、その知見を活かし、クライアントの組織で発生するさまざまな「人の問題」への対応方法について具体的な解決手段を提示し、組織を健全に保つ手助けを生業としている。◆社会保険労務士法人Noppo社労士事務所 TEL:03-6454ー6083 ※お電話の場合、まず職員が対応しますので、「ブログを見て問い合わせた」とお声がけ頂けるとスムーズです。
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