介護

ケアマネ事業所における管理者要件の「経過措置期間延長」について

2018(平成30)年度介護報酬改定において、ケアマネ事業所における人材育成の取組を推進するため、主任ケアマネであることを管理者の要件とし、2021(令和3)年3月31日までの経過措置期間が設けられました。

経過措置期間:2018(平成30)年4月1日~2021(令和3)年3月31日

しかし、昨年7月末時点で、約4万件以上あるケアマネ事業所の管理者の約4割(1万6,000件!)が主任ケアマネではない状況の中で、「定員で研修を受講できない」「このままでは事業所を閉鎖するか、他の事業所に移るしかないかも・・」「利用者はいったいどうなってしまうのか・・」といった事態が生じていました。

そんな混乱を収束すべく年末にかけて介護給付費分科会で議論が行われていました。

結論(経過措置期間延長の内容)

2021(令和3)年3月31日時点で主任ケアマネ以外の者が管理者である事業所は、その管理者が管理者として在籍している限り、経過措置期間が、

2021(令和3)年4月1日~2027(令和9)年3月31日まで延長

となりました。

2021年4月1日から新たに管理者となる者は?

2021(令和3)年4月1日から新たに管理者となるものは、経過措置が適用されず、主任ケアマネであることが求められてしまいます。

対策としては、辞める確率の最も低い人(ケアマネ資格をもつ経営者自身など)を管理者とし、経過措置の6年間をフルに使って、管理者が主任ケアマネ資格を取得したり、在職しているケアマネに主任ケアマネを取得させたり、新たに採用した「主任ケアマネを保有していないケアマネ」に主任ケアマネを取得させたりすることが必要になってくるかと思います。主任ケアマネを保有している方を採用できればベストですが、恐らく「人を選べない」という状況に陥るのは明白であるため、人的リスクがかなり高まるかと思います。

最悪なのは、2021年4月1日以降に管理者が突如辞めてしまい、主任ケアマネを保有しているケアマネを採用せねばならず、求人を出しても応募が一切なく、また、応募があっても採用したくないような人しか来ない・・というようなケースかと思います。ですので、2021年3月までの管理者選びは「慎重に」してください。

2021年4月1日以降、急な退職などの不測の事態により、主任ケアマネを管理者とできなくなってしまった事業所の「猶予措置」

猶予措置として、

「主任ケアマネを管理者とできなかった理由」
「改善計画書(仮称)」

の2点を保険者に届け出た場合、管理者を主任ケアマネジャーとする要件の適用を「1年間のみ」猶予されることになります。

※当該地域に他に居宅介護支援事業所がない場合など、利用者保護の観点から特に必要と認められる場合には、保険者の判断により、この猶予期間を延長することができる。

とはいえ、「1年の猶予じゃ無茶でしょ?」という意見もあり、修正される余地が残ったようです。

当然ですよね!

そもそも、管理者を主任ケアマネとしなければならないという論拠も不明瞭ですし、何を考えてるんだか・・と憤っている方も多いのではないかと思います。そもそも経験や研修を能力の担保としていること自体が、「仕事力」というものを何もわかっちゃいない・・と言いたくもなります。

また、「たった1年の猶予」って、ふざけてますよね。

求人を出しても人がこない状況の中で、
ケアマネ資格保有に、
さらに主任ケアマネ資格まで求められたら、
小規模事業所としてはたまったもんじゃないはずです。

本当に現場の苦労を知らないからこんな安直なルールを作ってしまうのでしょうね・・。

でも、ひとまず、1年の猶予措置もまだ検討の余地があるようですし、通知やQ&Aで明確にするとのことなので、それを待ちましょう!

 

【参考】

居宅介護支援事業所の管理者要件等に関する審議報告

居宅介護支援の管理者要件に係る経過措置について

ABOUT ME
社会保険労務士 養父(ようふ) 真介
福岡生まれ大阪育ち、東京都杉並区在住。◆大学在学中の1998年に社労士資格を取得。◆コネなし・経験なし・僅かな資金で2008年に独立。◆2010年に「人の問題解決」に必要な根幹技術となる「アセスメントセンター」という「能力診断技法」の専門家を擁する概念化能力開発研究所の奥山氏と出会い、数百時間にも及ぶ「人を見極める」という機会を得て、多くの組織が抱える悩みの根源を知る。◆その後、その知見を活かし、クライアントの組織で発生するさまざまな「人の問題」への対応方法について具体的な解決手段を提示し、組織を健全に保つ手助けを生業としている。