私は以前すごいメモ魔でした。とにかくメモメモ。それは、すぐに忘れてしまう(物事を覚えるのが苦手)という強迫観念もあったのではないかと思います。ですが、最近はメモをほぼ取りません。正確に言えば、「話を聞いている最中は」メモを取りません。どうしてるのかというと、話の中身を一つ一つ理解するようにしています。
メモをする目的とは
「メモをしたくなる」ということは、その人にとって貴重な話を聞く場面なんだと思います。ですので、大事なことであればあるほど、「理解すること」が重要になってくるわけです。メモをする目的は、「発信者の伝えたい内容を自分の人生(仕事)に活かしたい」ということであり、発信者の言葉をメモするだけではないはずです。「意識」というのはちょっとしたことで持っていかれてしまいます。例えば、誰かと話をしている最中に、ふと何かを思いついたり、連想したりしたときに、相手の話が耳に入ってこない・・・という覚えはないでしょうか。メモをするという行為も、「理解すること」より「書くこと」に意識を持っていかれてしまい、話の中身を把握できなくなってしまうのです。そのため、メモをするとしても、このデメリットを認識した上で、メモすることが重要です。
メモをするのは「話の後」でも遅くない
私自身、メモをやめたわけではなく、むしろ、前よりメモをしているかもしれません。でも、あくまでも、「話の後」です。話の後だったら、聞いた内容を忘れるかもしれないじゃん!と思う方もいらっしゃるかもしれません。私も最初そう思っていました。しかし、今はそうではありません。発信者の内容をきちんと理解して聞けば、話が終わったあとに、その話の内容をメモすることは可能です。なぜなら、理解しているから。ただし、理解したこと以外はメモできません。そもそも理解していることなので、あえてメモする必要性はないと言えばないのですが、やはり、後で振り返るために紙に留めておきたい内容はあります。
「メモをする人」をどう判断するか
メモは忘れないようにするためには大事なことではありますし、発信者からみれば、メモをする人を「熱心な聞き手だ」と判断してしまうケースは多いのではないでしょうか。でも、最も大切な「理解」を置き去りにされては全く意味のない非生産的な時間となってしまいます。なぜなら、先ほどの「メモをする目的」とも重複してきますが、発信者には伝えたい内容があり、その内容がきちんと相手に伝わって、その後に活かされることこそ重要であって、メモすることだけが目的となってしまうと、発信者との時間はムダになる確率が高くなるからです。そのため、発信者は熱心にメモしている人が自分の話を本当に理解してくれているかと言えば、意外とそうではないということを認識する必要があります。ただし、メモをしていない人が、話をよく理解しているかと言えば、これまた相手をよく観て判断しないと一概には言えない(話をよく理解しないまま聞いている人は多いので…)という認識も必要です。話の内容にも依りますが、聞くことに専念したとしても、理解すること自体難しいのに、話の最中にメモを取れば、さらにその理解度が怪しくなることは間違いありません。
「相手ときちんと向き合うために、一度メモを手放してみること」
そのためには自分の弱みとも向き合う“勇気”が必要・・・かもしれません。でも、思えば読み書きができない幼少期は、誰しも親の話をメモせず、理解して自分の人生に活かしてたんですよね。