気が付けば、もう2021年も今日で終わり。
今年1年も昨年と変わらず時が過ぎるのを早く感じましたが、その感覚がさらに早まったようにも・・。恐らくそれは、娘と遊んでいる時間以外、とにかく暇があったら仕事のことを考えていたからだと思います。
振り返る暇もないほど前へ進んでいるので、新卒社員をはじめて採用した今年ぐらいは足跡を残しておこうと思います。
2月、2021年3月卒の新入社員がアルバイト勤務スタート
当事務所は、事務処理能力が抜群に高い職員がいてくれることで、かなりボリュームある仕事をこなしているにも関わらず、ほぼ残業ゼロ。
ただ、7月に向けてかなり仕事が忙しくなるので、できることなら4月より前に一定の内容を教えることができたほうが時間的な余裕をもてるということもあり、前倒しで新卒社員が勤務をスタート。
ある意味、コロナ禍でなければ、学生生活最後の自由な時間を謳歌しているところ。コロナ禍で長期の海外旅行も行けないということで、早めに勤務してもらえることになったことは、運営上助かりました。ただ、新卒社員本人は心残りが大いにあるはずなので、コロナ禍が明けたときに、長期休暇が取れるような体制にもっていきたいと今から準備中です。
3月、2022年3月卒採用のスタート
新卒社員にもOJTでさまざまな仕事を任せていくわけですが、まだまだ時間的制約がある中では、手続き関係の仕事を任せていくのは難しい。そのため、比較的時間の制約を受けない2022年3月卒の「採用担当」へ任命。新卒紹介会社さんの窓口をすべて担ってもらうことに。
「新卒者にいきなり荷が重いのでは・・」という心配はよそに、調整のコツなどを先輩社員から教えてもらいつつ、目標に向かって自分の頭で考えながらほぼ問題なく対応。
もちろん、たまに認識漏れがあったりもしますが、それも次回までにきちんとリカバリー。紹介会社さんとのやり取りも「え?本当に新人なの?」という内容で安心して任せることができました。
4月、正式に新卒者が入社
正式に入社した新卒者の新人教育に加えて、2022年3月卒の採用活動の本格化と、めまぐるしく時が過ぎていきました。
今年は特に、給与計算を含めた起業支援のご依頼が多くありましたので、初打合せから同席をしてもらい、「どのようにお客様を支援していくか」を間近で見てもらえたことは、すべての業務を俯瞰するための貴重な機会になったのではないかと思います。
6月、二人目の新卒者が決まる
前回の採用に要した期間は、約9か月。
今回は運よく早々に決めることができました。とはいえ、要した期間は4か月。採用をするたびに、採用の大変さと健全な組織づくりの困難さを身に染みて感じます。
最終面接では、仕事のマイナス面なり、現実的な側面をこれでもかと応募者へ伝えたので、逆に面食らったかもしれません。ただ、キラキラした言葉で飾り付け、あまりに期待や希望が大きすぎると入社してからのギャップに苦しむことになりますよね・・。私はまさにそれで苦しみ抜きました・・。それゆえ、負の側面をきちんと伝えておきたかったのです。
今年入社した新卒社員然り、企業の規模に関係なく、自分が良いと判断した会社に入社しようと決断できる精神的自立性の高さには驚くとともに、「彼女たちの思い」を考えるといつも身が引き締まります。お客さまが社員とトラブルになったときに伝えている「採用した者の責任」という言葉がそっくりそのまま自分に返ってきてます。
6月~7月、繁忙期が繁忙期でなくなる?
昨年まで、この時期はどうしても過負荷になってしまい、少しピリピリした感じがありました(とはいえ、残業はほぼゼロです)。
それが何と今年は「まったく」と言ってよいほどありませんでした。間違いなく昨年より仕事が増えているのに何か余裕がある・・。このような感覚はここ数年なかったことなので、採用の恩恵をまた一つ実感。
8月、事務所移転を検討
当事務所の机は、新人を含め全職員が横幅160cm。
いわゆる課長職が用いる机で、非常に作業性の高いもの。
この机自体は譲って頂いたもので、当初は「え?こんなにでかいの?」みたいな感覚でしたが、今ではこの作業スペースに慣れてしまったので、生活水準を下げることが難しいのと同様、この水準をもう下げることはできません。
また、労働条件は他社と比較しても悪くはないものの、零細事務所を最終的に選んでくれた人たちの気持ちに応えるためにも、作業環境は快適にしてあげたいという思いもあります。というわけで、もう一台を置く物理的なスペースを確保するため移転を決断。
9月、事務所を阿佐ヶ谷に移転
次の事務所の家賃は従前事務所の1.8倍。
金銭的負担はグイっと大きくなりましたが、それ以上に、より働きやすい環境を職員に提供できるようになったことで、私自身の精神的負担が減ったのは、十分過ぎる価値があったと思い(込むようにしてい)ます。
年間の家賃を計算するとちょっと震えますが、どこにお金を投資するのかによって経営者が問われますよね。お世話になった会社さんをご参考までにお伝えします。
不動産会社
そこまでやってくれなくてもいいですよと言いたくなるぐらい親切な不動産屋さんです。もちろん、繁忙期ではなかったことも大きいと思いますが・・。基本、不動産屋さんと聞くと、苦い思い出のほうが多いのですが(知り合いも多いのですけどね)、リモート賃貸さんのフットワークの軽さやオーナーとの地道な交渉には本当に助けられました。
引っ越し業者
当事務所には大物の机とキャビネットがあり、この机とキャビネットの搬出が一番のネック。1社目の見積もりが余りにも高かったので、5社見積りを取ることになったわけですが、最も安い金額を一発で提示してくれました。逆にその安さが不安にもなり追加で質問をぶつけたりもしましたが、同等の金額を提示する他の業者さんもいたため、最終的には、見積もり時にかなり細かく搬出できるかどうかを検討してくれたメリーさんに決めました。
引っ越し当日まで「本当に大丈夫か?」という思いは消えませんでしたが、当日の仕事っぷりはとても丁寧かつ確実で、一切の不満なしです。担当してくれる方によって変わる面もあるかと思いますが、選択肢の1つとして有りの業者さんだと思います。
インターネット
以前はauを使っていたのですが、今回の移転先ではそのまま全てを移行できないことが分かり、改めて探しました。
その中で選んだのが@SMARTです。料金体系がシンプルで、解約時の手数料も2年を過ぎれば発生しないという潔さが気に入りました。実際開設してみて、速度に不満はありません。
オフィスチェア
社労士という仕事はどうしても椅子に座っている時間が長いということもあり、健康維持のためにも椅子への投資は重要だと考えています。ちょっとぐらい高くても十分にペイしますよね。
というわけで、オフィスチェアのコンシュルジュの話を聞いて、自分に合う椅子を買うことにしました。私の場合、身長が188cmあるので、椅子だけ購入しても意味がないため、プラス製の昇降デスクも購入しました。正しい座り方を教わっても現実的には難しいなと感じる面が多かったので、身長が高い人にはまず椅子よりも昇降デスクの購入をお勧めしたいですね。
10月、2022年に入社する新卒者がアルバイトをスタート
まずは、事務所の雰囲気に慣れてもらうことや業界の情報に慣れてもらうことを目的にアルバイトを早めにスタート。以前から、なかなか取り組む時間を確保できなかったホームページのリニューアルを新卒者に担当してもらいました。
11月、ホームページをリニューアルして公開
Noppoは、主に私が相談業務を担っています。その相談業務を陰で支えてくれているのが、社会保険関係の手続き業務や給与計算業務を担ってくれている職員たち。
地道な仕事の積み重ねは本当に大変ですが、お客さまと信頼関係を構築してくれている彼女たちの存在があるからこそ、相談業務も活きてきます。そういった普段のNoppoの安定的なサポート体制を少しでも表現するために、ホームページをリニューアル公開しました。
今年最後に伝えたいことは、やはり「採用の大切さ」
今年は、「第二創業」という心持ちで営業面でも開業当初と同じように動きました。
ただ、以前と異なるのはコロナ禍であるということ。なかなか勝手が違う時代になってはしまいましたよね。新しい人を採用するに当たって、新規のお客様を獲得したいという気持ちはさらに高まるばかりですが、既存のお客様を大切にするということも当然ながら重視しなければなりません。新人が成長するには一定の期間を要しますし、知識と情報とノウハウという水を与えながら、経験を積み重ねつつ、成長を待つ姿勢が大切です。私自身、ついつい焦って落ち着きがなくなりやすい性質なだけに冷静でいなければ!と自分を戒めています。
アクセル踏むのか足場を固めるために一旦止まるのか、非常にもどかしい場面もありますが、地に足をつけて、一歩一歩進めていくしか道はないんですよね。しかし、それで間違いないというか、この道筋が遠回りのようでいて、実は近道なんだと確信しています。
多くの中小企業は、新卒採用に高いハードルを感じ、「中途採用」になります。そして、その中途採用をしながら、紆余曲折を経て、少しずつ規模を大きくしていきます。採っては辞めてを繰り返し、規模感が全く変わらないところも現実的には多いと思います。
10年を超える社労士キャリアと数百人の応募者の選考を通じて実感することは、「中途採用のみで健全な組織を創ることがいかに難しいか」ということです。ただ、新卒者を採用すれば、より確実に健全な組織を創ることができるとも言い難い・・。以前、新卒数名を採用して、数年でほぼ全員が辞めてしまった会社もありましたが、単に新卒者を確保できれば済むという話でもないのです。
答えは結局、「どれだけ的確な採用基準をもって妥協のない選考を貫けるか」ということに尽きますが、ほとんどの会社は採用基準を自社内の価値観や採用担当者の主観だけで対応してしまい、実際「何が正しい基準なのか」を誰もさっぱり分かっていないまま選考を続け、失敗を繰り返し、組織が段々と疲弊してくということが往々にしてあります。
「自ら考え、動ける人材」をどの企業も欲しいと思いますが、一般的な面接で見抜くには至難の業です。そして、多くの中小企業経営者は悩み続けます。
どうしたら組織運営がうまくいくのか・・。
どうしたら生産性が高い組織が創れるのか・・。
どうしたらもっと楽になるのだろうか・・。
私自身もまだ道半ばです。ですが、今年だけでも、既に新卒者を採用したことの恩恵を受けています。優秀な人を採用するということは、ますます経営者が問われることにもなるので、全く油断する余地はなく、来年もただひたすら道を切り拓くために突き進むしかありません。ただ、共通の認識を持ち、お客様をサポートしてくれるメンバーがいてくれることで、さらに安心して前へ進めていけそうです。
本年最後のブログも結局「採用は本当に本当に大事ですよ」という話に行き着いてしまいました。「組織は人なり」と少しでも発信するなら、結局は、ここに行き着くように思います。
来年は、さらに人員が増え、抱える責任も増すばかりですが、そのプレッシャーをばねに今年よりもさらにアクセルを踏むことができるようにしたいと思います。焦らず一歩ずつ着実にお客様の満足度を積み上げていきたいと思いますので、来年もよろしくお願いします!